性犯罪の件で警察から連絡が来たら、何より先に心得ておくべき原則がいくつかあります。誰であれ、あなたに質問への回答を強いる力は持っていません。弁護士は取調べの初めから終わりまで隣に座れますし、韓国語に自信がなければ通訳人を付けてもらう道もあります。通報した相手には、直接であれ誰かを介してであれ、連絡を取るのは厳禁です。外国籍の人にとって、この種の事件には韓国国民にはない危険が2つ潜んでいます。手続きが続く間は出国を差し止められるおそれがあり、性犯罪となれば罰金刑だけでも在留資格の見直しにつながりうるのです。通報はあくまで嫌疑であって事実の認定とは違い、手続きはその嫌疑を公正に確かめるために存在します。
初回の取調べまでに、何を準備しますか?
警察の出頭要請(출석요구)は、多くの場合、電話かSMSで届き、罪名(죄명)と日時が記されています。弁護士が同席できるよう日程の変更を頼むのはごく普通のことで、罪を認めたという意味は持ちません。他方、正当な理由もなく呼び出しを繰り返し無視するのは事情が違い、逮捕状を出す法律上の根拠の一つに数えられます。
その日までに:
1. 出来事を、時刻と場所を添えて起きた順に書き出します。弁護士にだけ見せる覚え書きです。 2. 携帯電話、チャット、写真は手を加えずにそのまま残します。通報の後でメッセージを消せば証拠隠滅と受け取られかねず、裁判所が身柄拘束を認める根拠の一つになります。 3. 事件や相手について、SNSへの投稿は控えます。被害者の名前や写真など、身元がわかる情報を同意なしにネットで公開すること自体が、法律で禁止されています。 4. 当日は、パスポートと、韓国の外国人登録証の現物(외국인등록증)も忘れずに。
取調室で使える権利は何ですか?
| 権利 | 使い方 |
|---|---|
| 黙秘 | 一部の質問にも、全部の質問にも答えずにいてよく、沈黙を理由にあなたを不利に扱うことは法律で認められていません。尋問を始める前に、この権利の告知が必要です |
| 弁護士の同席 | 弁護士はそばに座り、不適切な質問に異議を唱え、終了後に意見を述べられます |
| 通訳 | 警察は通訳人を依頼でき、裁判になれば通訳の用意は裁判所の責任です。訳が理解できなくなったら、その場ですぐ申し出ましょう |
| 記録の確認 | 書面の記録(피의자신문조서)は本人に閲覧させるか読み聞かせる決まりです。署名の前なら、誤りの訂正を頼めます |
意味のわからない記録には、何があっても署名しないこと。警察署で署名した供述は、のちの裁判であなたに不利な証拠として扱われうるうえ、後日に書き換えを求めるのは、今日の署名を拒むよりずっと難しいのです。
通報した人に、こちらから連絡を取ってかまいませんか?
いけません。電話、メッセージ、訪問、贈り物のどれも控え、友人、同僚、親族、勤め先に、代わりに話をつけてくれと頼むのもやめましょう。「話し合いたい」という丁寧な一文でさえ、申し立てた側を怯えさせ、証人への圧力と受け止められかねません。脅したり、事件を取り下げるよう無理強いしたりすれば、別の罪が成立します。
連絡は、あなた自身の事件にもはね返ります。勾留の要否を判断するとき、裁判所は被害者や証人に危害が加えられるおそれを考慮しなくてはなりません。保釈には被害者の住まいや職場に近寄らないという条件が付く場合があり、勾留の適否の審査でも、被害者や証人が害を受けると疑うに足りる理由があれば、裁判所は保証金を条件とする釈放を拒めます。そもそも連絡を取ること自体が適切かどうかは弁護士が判断すべき事柄で、申し立てた側の意向が何より優先されます。
捜査の間、飛行機で国外に出られますか?
出られないことも考えられます。入管は、外国籍の被疑者について出国の停止(출국정지)を命じる権限を持ち、その期間は原則1か月以内ですが、居場所がつかめない場合や令状が発付された場合は延びます。空港で初めて知らされる人もいます。通報の後に慌ただしく出国しようとすれば、逃亡の危険があると見られ、勾留を支える事情にもなります。予定している旅行、契約の満了、在留期限が近いなら、取調べを受けた後ではなく、受ける前に弁護士の耳に入れておくのが賢明です。
事件の結末は、在留資格にどう響きますか?
入管は出入国管理法に基づき、懲役か禁錮を宣告され、その後に釈放された人を国外へ退去させられます。性犯罪の場合、対象はもっと広がります。法務部の規則が、強姦や強制わいせつの罪を定めた刑法の章に当たる犯罪や、性暴力犯罪特例法の犯罪を犯した人で、入管が退去を相当と判断した者を付け加えているのです。つまり実務では、性犯罪で罰金や懲役刑の執行猶予にとどまっても、強制退去の審査に回される展開がありえます。入管は在留許可の取消しや延長の拒否もでき、強制退去命令によって出国した人は、通常、最低でも5年は再入国が許されません。
永住者(F-5)は保護が厚いものの、それでも完全には守られません。指定された法律(性暴力犯罪特例法もその一つ)に違反し、懲役2年以上が確定すると、F-5の資格自体が取消しの対象になりえます。
性犯罪者の登録とは何ですか?
性犯罪の大半では、有罪判決または略式命令(약식명령)が確定した時点で、その人は登録対象者(신상정보 등록대상자)となります。課される義務は本人について回り、旅行の際も外れません。
- 確定から30日以内に身上情報を警察に提出し、変更があれば20日以内に届け出る。
- 年1回、警察署に出向いて写真を撮り直してもらう。
- 6か月以上国外に出る前に行き先の国と滞在期間を届け、帰国後は14日以内に届け出る。
| 罪に対する刑 | 登録期間 |
|---|---|
| 罰金 | 10年 |
| 3年以下の懲役 | 15年 |
| 3年を超え10年以下 | 20年 |
| 10年を超える懲役、または無期 | 30年 |
登録には例外も2つあります。性的な目的でトイレや更衣室に立ち入った罪や、性的な内容の通信を送った罪で罰金刑を受けても、登録はされません。また、刑の宣告を猶予された人(선고유예)は、猶予が取り消されずに2年が過ぎれば登録義務から外れます。有罪を言い渡す裁判所は、たいていの場合、500時間以内の教育や治療プログラムの受講もあわせて命じます。
次にすること
出頭の要請が届いたら、そのメッセージか書面と、ビザの種類と期限を私たちに送ってください。取調べには一人で行かないでください。助言が最も大きな意味を持つのは、最初の供述調書に署名する前です。ご相談は有料です。お問い合わせいただくと、担当者から折り返しお電話し、費用についてご説明します。
법무법인 대한중앙
1533-7377
適用される規定
刑事訴訟法(형사소송법)第70条第1項および第2項(勾留の理由、被害者と証人への危険)、第98条第4号および第6号(保釈の条件:被害者に近づかないこと、出国しないこと)、第180条および第221条第2項(通訳)、第200条の2第1項(出頭要請に応じない場合の逮捕状)、第214条の2第5項(被害者が害を受けるおそれがあるときは審査による釈放を認めない)、第243条の2(取調べへの弁護人の立会い)、第244条(記録の閲読と訂正)、第244条の3(黙秘権)。刑法(형법)第283条(脅迫)、第324条(強要)。性暴力犯罪の処罰等に関する特例法(성폭력범죄의 처벌 등에 관한 특례법)第16条第2項(500時間以内の教育または治療の命令)、第24条第2項(被害者の身元の公開禁止)、第42条第1項(登録。第12条と第13条の罰金刑は例外)、第43条第1項、第3項および第4項(30日、20日、年1回の写真)、第43条の2(6か月以上の出国、帰国後14日)、第45条第1項(10年、15年、20年、30年)、第45条の2第1項(宣告猶予)。出入国管理法(출입국관리법)第4条第2項および第29条(出国の停止)、第11条第1項第6号(5年間の入国拒否)、第46条第1項第13号および第15号(強制退去)、第89条(許可の取り消し)、第89条の2第1項第2号(永住資格)。同法施行令第36条(出国停止の期間)、同法施行規則第54条および第54条の2(強制退去の理由としての性犯罪)。
一般的な情報であり、法的助言ではありません。事案ごとに事情は異なります。
