まず安全な場所へ移り、それからできるだけ早く届出をしましょう。夜の店で起きた事件では、いちばん強い証拠ほど早く消えてしまうからです。力ずくで性的に触ることは強制わいせつ罪(강제추행)にあたり、最高で10年の懲役か1,500万ウォンの罰金が科されえます。酔って抵抗できない人につけこんだ場合も、同じ範囲で罰せられます。すし詰めのクラブや人であふれたダンスフロアでは、力を使わなくても、望まない性的な接触は犯罪です。ご自身もお酒を飲んでいたとしても、届け出る権利は失われません。旅行者、留学生、短期ビザで働く人でも変わりはありません。
お酒を飲んでいたら、犯罪にならないのですか?
いいえ、犯罪です。お酒を飲んだからといって同意したことにはならず、酔った人のための専用のルールが法律に置かれています。
| 起きたこと | 罪名 | 法定刑の上限 |
|---|---|---|
| 力ずくでつかまれた、触られた、逃げられないように押さえつけられた | 強制わいせつ(刑法) | 10年の懲役か1,500万ウォンの罰金 |
| ひどく酔っていた、眠っていた、意識がもうろうとしていて抵抗できないときに触られた | 準強制わいせつ(준강제추행) | 強制わいせつと同じ |
| 人混み、満員のダンスフロア、コンサートで、力を使わずに性的に触られた | 公衆密集場所でのわいせつ(공중밀집장소추행) | 3年の懲役か3,000万ウォンの罰金 |
捜査官から、どのくらい飲んだかを聞かれる場面もあるでしょう。ありのままに答えましょう。飲酒が意味を持つのは、抵抗できなかったことを示しうるからで、それは事件を弱めるどころか裏づけになります。
今すぐ何をすべきですか?
今夜できる範囲で、次の順に進めます。
- 誰かに伝える。 友人、店のスタッフ、入口の警備員などです。時刻と相手を覚えておいてほしいとスタッフに頼みます。
- できれば店から警察を呼ぶ。 すぐに駆けつけた警察官なら、相手を特定し、防犯カメラの映像を残すよう店に要請できます。
- 服はそのままにしておく。 着替えるなら、ビニール袋ではなく紙袋に入れ、洗うのは控えます。
- 細かい点を携帯にメモする。 店の名前、何階のどのカウンターか、時刻、相手の服装、見ていた人です。
- 目撃者の名前か連絡先を聞いておく。 割って入ってくれた見知らぬ人も含みます。翌週になってから探し出すのは困難です。
- 友人にメッセージを送る。 起きたことを書いて送ります。その夜のうちに書いたメッセージは、あなたがその時点でどう話していたかを示す有力な証拠です。
飲み物に何か入れられた疑いがあるなら、急いで病院へ行き、検査を申し出ましょう。多くの薬物は数時間で体から抜けるため、翌日の午後に調べても何も検出されない恐れがあります。
クラブは防犯カメラの映像をどれくらい残しますか?
長くはありません。だからこそ、ほかのどんな場面よりもここでは速さがものを言います。
バーやクラブは、短い期間、ときには数日で映像を上書きしてしまうのが普通です。店は客に録画を渡すのをたいてい断りますが、警察には渡します。警察は、任意に差し出された映像を受け取れるほか、令状を取って入手する方法もとれます。
そこで実際に大事なのは、最初に連絡をとるときに、どの店の、どの入口の、どの時間帯の映像を求めるべきかを捜査官に正確に伝えることです。カードの決済、タクシーアプリ、携帯のメッセージを見れば、時刻をはっきり割り出せます。店にカメラが何台もあるなら、ダンスフロアだけでなく入口も対象にするよう頼みます。相手の顔がいちばんよく写っているのは、入口のカメラであることが多いのです。
目に見えるけががなくても、医師に診てもらうべきですか?
診てもらう価値はあります。医師は、一両日で消えるあざやひっかき傷、痛みを記録でき、薬物の検査もできます。病院の中にある「ひまわりセンター」(해바라기센터)なら、警察に届けるかどうか迷っているうちでも診察し、記録を作り、検体の保管までしてくれます。
在留資格が切れている、または持っていない外国人には、公的な病院を選ぶ理由がもう一つあります。公的保健医療機関の職員が治療を通じて患者の身元を知った場合、その人を入管に知らせる義務が免除されうるのです。治療中は、ビザの心配は後回しで十分です。
警察で話を聞かれるとき、友人の同席は頼めますか?
たいていは可能ですが、前もってお願いしておくことが大切です。強制わいせつの場合、その判断は捜査官や裁判官に委ねられています。質問を受けることであなたがひどく不安になるようなら、信頼する人を隣に座らせる許可が出る可能性があります。その人にいてほしい理由を説明しましょう。外国であること、得意でない言語であること、担当が男性の警察官であること、怖い夜だったこと、などです。付き添う人はあなたを励ますことはできても、あなたの代わりに答えたり、あなたの言葉を言い換えたりはできない決まりです。
| 誰か | 聴取での役割 |
|---|---|
| 信頼関係のある人(신뢰관계인) | 支えとして隣に座る |
| 通訳人(통역인) | 質問と答えを一つずつあなたの言語に訳す。手配するのは警察で、法廷では必須 |
| 被害者の弁護士 | 聴取に加わり、意見を述べられる |
役割は分けるのが鉄則です。励ましながら通訳も引き受ける友人がいると、あとで供述の信用を突かれる隙になります。母語の分かる専門の通訳を頼み、署名の前には調書の読み聞かせを求めるのを忘れずに。
出国の日が近いなら?
最初の聴取で出国日を捜査官に知らせ、航空券を見せてください。帰国しても事件は終わらずに続きますが、公判のときにあなたが韓国にいないと、その証言は使いにくくなる場合も考えられます。あとで証言するのがとても難しい事情があれば、公判の開始前に裁判官があなたの証拠を取り調べるよう請求してほしいと、あなた自身か警察が検察官に頼む道があります(증거보전)。そのあとは、選任した弁護士が出国後も事件を追いかけられます。
相手も外国人の旅行者なら、その点を必ず伝えます。捜査の間、外国から来た被疑者を出国させない権限が当局にはありますが、早い段階で知らなければ動けません。
「示談で済ませよう」と言われています。従う必要はありますか?
ありません。店のスタッフ、相手の友人、ときには店のオーナーまでが、お金を受け取って終わりにしようと言ってくるかもしれません。韓国では強制わいせつの処罰に、被害を受けた人からの正式な告訴は要らなくなっているため、あなたがどう決めても事件は続きえます。賠償について話し合いたいなら弁護士に任せ、訳してもらっていない韓国語の書類にサインするのは禁物です。直接連絡してくる相手に返事をする必要もありません。
次にすること
眠る前に、メモ、店の名前と時刻、助けてくれた人の連絡先を保存してください。届け出るべきか、映像を確保するよう警察にどう頼むか、出国後も事件をどう続けられるかについて助言が欲しい方は、パスポートか外国人登録証と、保存したものをお持ちのうえご相談ください。ご相談は有料です。お問い合わせいただくと、担当者から折り返しお電話し、費用についてご説明します。
법무법인 대한중앙
1533-7377
適用される規定
刑法(형법)第298条(強制わいせつ、10年以下または1,500万ウォン以下)、第299条(準強制わいせつ、第298条の例による)。性暴力犯罪の処罰等に関する特例法(성폭력범죄의 처벌 등에 관한 특례법)第2条第1項第3号および第5号(これらの行為は性暴力犯罪にあたる)、第11条(公衆密集場所でのわいせつ、3年以下または3,000万ウォン以下)、第27条第1項および第2項(被害者の弁護士の聴取への参加)、第34条第1項(信頼関係のある人の同席が義務となるのは列挙された犯罪に限る)、第41条(証拠保全の請求の要請)。刑事訴訟法(형사소송법)第163条の2第1項および第3項(裁判所の裁量による信頼関係のある人)、第180条(裁判所の通訳)、第184条(証拠保全)、第218条(任意に提出された物)、第221条第2項および第3項(通訳、警察の聴取での信頼関係のある人)。出入国管理法(출입국관리법)第29条(外国人の出国の停止)、第84条第1項。同法施行令第92条の2第2号(公的保健医療機関)。ここでいう刑法と刑事訴訟法は韓国の法律で、日本の同名の法律とは別のものです。
一般的な情報であり、法的助言ではありません。事案ごとに事情は異なります。
